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あやまち おほからむ いにしへふみのものまねびなれど

みやしろにあそぶを ゆるすとの みことば おぼしめし

たまはりて またもやまかりこしたり しばしゆるされよ

 

あは かなもじろんさにあらざるが いにしへ まねびて

ふみかきしるすに かなをもはらに もちゐるは かなを

むねとおもふこころの ひがわざにあらで ふたこころの

おもむきあり そのかみ やまとことば かなだにもたで

そのこゑ まなにかりて かきしるしけるを のちつかた

まなより かないできたるに をみなも ふみかくならひ

ひろぎて まな かな ともに あはせもて ものかくが

よのつねとなりぬ まいて いまにし まなかな ふたつ

ながらに つかはで いかで ものかきしるさむや しか

あれど よのたくみ きはまりて わあぷろてふ くしき

あやしきものあり ひとみな これに したがふおもむき

にて からことば めにあまりて おほきに つかはるる

さまになむ ありけむ はてに まなまじりの かなふみ

ならで かなまじりの まなふみとなりつるかな やまと

ことばの こころたらざるを からことばにておぎぬふは

おのつからあらはるる ことわりなるも みだりがはしく

まなつかふべからずと こころおもふゆゑ よみかたきを

しりつつ あへて かなを もはらと もちゐるものなり

 

それ こころあきらけし やまとことばにあらば しひて

からことば つかふべきにあらず かく からことばにて

ふみ あやなさむとするは ものかざり ものかくさむと

ねがふ ひがこころなりかし されど からことばならで

えかきしるさざるものあらば ほどよく もちゐるべきか

 

あが かなをもはらとする またひとつのこころは かな

のみをむねと かむかふる およずれ まうすひとありと

きくゆゑなり まこと たはごととは おもへど さきの

いくさをはりて たみくさのこころ おほきに あらぶり

みだれしをり もはら かなのみをもちゐるべし さらに

ろうまじてふ あだしくにがかな もはら つかふべしと

えせものしりひとの おろかしく さひづりけるを ゆめ

わすれじ げにおそろしきはおもひこみなり ゆゑ かな

のみにては いかに よみかたきか しらしむるものかな

 

まなとかな よきほどに まじりたるが のぞまるるべし

 

追記その一

わけしり顔に漢字をつかひて おほきにはづかしきおもひ

いたせしを あへて話さむか 

わけしり顔の わけなることばは 別けと同源の和語にて

古くは訣 あてけるものを 明治の世に 活字印刷始まり

活字職人 かなしくも 過ちて訳と おもひてけり 以來

わけ 過ちて訳と用ゐらるるにいたりしと聞けり されど

時すでにおそし おろかなるかな あが かきちらしたる

ふみにては わけに譯をもちゐたり ああ これ笑ふべし

 

追記その二

かな書きの駄文を我慢してくださつた皆樣に 御禮まうし

あげます あやまり多い偽古文を永年書散らした罪ふかく

このたび めでたくも 島流しとなり 暫しこの宮に遊ぶ

ことができなくなりました           斧琴菊

 

追記その三

あなはづかし 冒頭に誤り見つけ 冷や汗かきつつ 訂正

まだまだ あるやも やはり そろそろ退出のしほときか

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