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稀聽歌傾聽會 まれなるうたをきくゆふべ

    1995年9月10日、増補改訂版『薔薇色のゴリラ』の上梓を記念して、東京神田神保町の北沢ギャラリーにおいて、「稀聽歌傾聽會-まれなるうたをきくゆふべ」が催された。このコンサートが引けたあと、「不死鳥百囀會-うたはほろびずとこしへに」と題して、うたげが開かれた。左の案内状の表紙の内側に、曲の一覧が印刷されてゐるが、より詳しい塚本の自筆原稿(寫し)があるので、これを下に載せてゐる。

 

    前年の6月に政田岑生が亡くなり、1年3ヶ月經過してゐた。塚本は、この間おおきな喪失感に陷つてゐたに違ひない。それだからこそ、塚本自身が立直つた姿を見せたかつたのか、あるいは子息の青史氏や装丁者・間村俊一氏達が新しい感覺で企畫されたのか、いづれにせよ、華やかな雰圍氣に溢れてゐた。来客も多く會場も廣くなかつたので、来訪者が犇めきあつてゐたと記憶してゐる。

 

    ところで、この「稀聽歌傾聽會」だが、「稀に聽く歌を傾聽する會」の意味とは思ふが、「聽」が重なり、なにかしら不自然さを感じる。高校時代、漢文や古文の成績が悪かつたものに、話題にする資格はないけれど。ど。                                                                                          2015/03/03

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